YOMU to KAKU マガジンvol.08 2025年10月31日
「アクリル画にはこれ!筆の種類と選び方」
絵を描きたい!と思った時、最初に買い揃えるものの中に「筆」があります。
筆は手の延長と言われるくらい、絵描きには大切な画材です。
でも、始めのうちは筆って何を買えばいいのか迷うもの。
ぼくも始めたての頃は、画材店の筆コーナーの前で「何を買ったらいいんだ!」と長時間悩んだ過去があります。
今回のYOMUtoKAKUマガジンでは、アクリル画の筆の種類と選び方について解説します!
アクリル画に適した筆や選び方を覚えておくと、描きたい表現に合った筆を見つけやすいはず。始めたての方におすすめの種類も解説したので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
それでは、魅力的な筆の世界へご案内します!
筆っていっぱいある!
まず、筆って本当にいっぱいあるんです。
アトリエには、こんなにたくさんの筆があります!

数えてみたら全部で154本ありました 笑
ついついたくさん買ってしまうんですよね。。(筆沼)
せっかくなのでタイプごとに分けてみるとこれだけの種類がありました!
筆は、各メーカーから膨大な数が販売されていますが、大きく分けると大体6種類くらいに分けられると思います。それぞれ解説していきますので、ぜひ筆のタイプごとの特徴を知って、画材選びに役立ててください!
筆は「素材」「コシ」で選ぼう!
筆を選ぶ時に、まず考えたいポイントは「用途」「素材」「コシの強さ」の3つです。
筆を買うときは、描きたい作品を想像しながら「この用途で使う、こんな素材の筆がいい。コシの強さは。。。。」という風に考えていくのがいいと思います。
と、ここまで説明すると、「じゃあアクリルで絵を描く場合はどんなものを選べばいいの?」という疑問が浮かぶと思います。
アクリル絵具に適した筆ってどんな筆?
すばり、アクリル絵具に合う筆は、「ナイロン製でコシが強めの筆」がおすすめです!
アクリル絵具は筆跡がしっかりと残るくらい練りが硬いものが多いです。そのため、筆も、絵具の硬さに負けないくらいの、少し硬めでしなりの強いナイロン製のものが適しています。
ただし、水彩画風の多めの水で薄めて描くスタイルの方には、やわらかい筆のほうが向いていることもあります。使う技法や好みによって適した筆も変わるので、いろいろと買って試してみましょう。
<迷った時は・・・>
筆選びに迷ったら、画材店に行って店員さんに聞いてみるのがおすすめです!きっと、自分に合った筆を一緒に考えてくれると思います。何より、画材が好きで専門的な知識がある方が多いので、相談するだけですごく勉強になると思いますよ!

コラム:天然毛は使いにくい?
天然毛の筆は油絵や水彩画を描くときによく使われます。コリンスキーなどの繊細な表現が得意なものや、豚毛などのハードな筆跡を残せるものなど、魅力的な筆はたくさんあります。ですが、水を含むと柔らかくなって、コシが失われやすいという特徴も持っています。(筆にもよりますが。)そのため、アクリル画に使用すると、筆運びが安定せず、描きにくいと感じるかもしれません。これらの理由から、特に始めたての方には安定して使用できるナイロン製の筆をお勧めしています。
まず揃えたい!基本の3種類
ここからは、絵をはじめたての方におすすめの筆を紹介します。最初に揃えたいのは「フィルバート」「平筆」「 面相筆・小筆」の3つです。
これらは汎用性が高く、この3種類があれば基本的に描き始めから完成まで描ききることができる万能な筆たち。順に説明していきます。
フィルバート
先が丸くカットされた平筆。平筆の塗りやすさとラウンドの柔らかい線の両方を持つ筆で、人物や植物、風景など様々なモチーフを描くのに適している万能型。これ一本あれば作品が描けるくらい、様々なものに適しています。色をなじませたり、ぼかしにも使えます。
平筆(フラット)
四角くカットされていて、広い面をなめらかに塗るのに最適な筆。立てて使えばシャープな線も描けます。グラデーションもきれいに仕上げやすく、背景や下地塗りにもおすすめ。絵画だけでなくイラスト・デザインなどにも使われています。
面相筆・小筆
細かい部分の描写や線画に向いている筆。力の入れ具合で細く繊細な線や、太く力強い線まで、様々な表現ができます。この筆だけで作品を描く作家さんがいるくらい、よく使われる筆。お気に入りの筆を何本もストックしている人も多いです。
コラム:筆の手入れをしよう!
筆は絵描きの相棒とも呼べる存在です。丁寧に手入れを行うと、使いやすい状態を保ったまま、かなり長い間使うことができます。筆の労を労うつもりで、メンテナンスしてあげてください!
色々な筆をつかってみよう!
紹介した3本以外にも、表現の幅を広げる筆がたくさんあります。描き味や表情も違うので、自分の作品に合いそうなものを試してみましょう。
ラウンド(丸筆)
筆先がシュッとしていて、線描や細部の塗りに使いやすい筆。細かいタッチを重ねたり、画面上で混色をするなどの表現も得意です。点描技法にも向いています。
毛先の長い面相筆
毛先の長い面相筆は一見すると使いにくそうに見えますが、繊細で流れるような線を描くのにぴったり。細やかなハッチングはもちろん、一定の細い線を長く引くことができるので髪の毛などの表現に適しています。
ファンブラシ
扇形の筆。だからファン(扇)ブラシ。ぼかしやグラデーション、木々や草の質感表現に便利。通常の筆ではあまりできないトリッキーな使い方が可能です。1本あると表現の幅が広がると思います。
刷毛(はけ)
広い面を一気に塗るのに最適。実際の制作はもちろん、下地作りやニス塗りにも使われます。様々な用途に使えて便利なので、1本は持っておくのがお勧め。天然毛は抜けがが多いので、個人的にはナイロン製のものを好んで使っています。
ちなみに、ぼくは刷毛で絵を描くのが好きで、よく使います。この作品は、刷毛の筆幅で作ったグラデーションを多用して描いた作品です。
おまけのコラム
最後までお読みいただき、ありがとうございます!最後に、僕がこの記事で紹介した筆をご紹介します。これまで数々の筆を扱ってきて、その中でも使いやすいと感じている筆たちです。少しでも、参考になれば嬉しいです✨
①フィルバート:bism(ビズム)#1100
②フィルバート:名村大成堂 NNナムロン
③平筆:名村大成堂 CN10
④小筆:ホルベイン 3100R
⑤面相筆:ターナー色彩 黒軸デザイン筆
⑥ラウンド:名村大成堂 V-STOCK-R
⑦毛先の長い面相筆:名村大成堂 SMナイロン面相小
⑧ファンブラシ:ホルベイン 500T
⑨名村大成堂:Flap フラップ
筆によって、表現はいろいろ!
いかがだったでしょうか?
この記事を通して、さまざまな筆たちの個性を感じていただけたでしょうか。
お読みいただいて、この筆使ってみたい!と思えるものが一つでもあったら嬉しいです。
ぜひ今回紹介した筆の基本を思い出して、画材店で実際に筆を手に取って、気になったら買って試してみてください!(やっぱり使うのがいちばんの学びになりますよ!)
筆選びで何よりも大切なのは自分との「相性」です。
きっと膨大な筆の中には「これが欲しかった!」と運命を感じるような、自分の作風や好みにピッタリのの筆が存在するはず。(そんな筆に出会えたら、最高ですよね!)
この記事が、お気に入りの筆を見つける手がかりになったら、とてもうれしいです。
それでは、素敵な制作ライフを!
画家
TAKUYA YONEZAWA
◆プロフィール
TAKUYA YONEZAWA
北海道在住。毎年50作品以上の絵画作品を制作し、美術館や国内外のギャラリーなどで発表している。SNSでの発信に力を入れ、作品や制作過程、創作のヒントなどを発信。Xは@takuyanokaiga。
◆使っている主な画材
・アクリル絵具 アムステルダム レギュラータイプ ロイヤルターレンス
・アクリル絵具 アムステルダム パールシリーズ ロイヤルターレンス
・ペインティングナイフ リキテックス バニーコルアート
・ペンディングナイフ ロイヤルターレンス

































