YOMU to KAKU マガジンvol.01 2024年10月15日
いつもワクワクをくれる画材!キャンバスの魅力と選び方
真っ白なキャンバスに、自分だけの世界を広げてみませんか?
こんにちは、画家のTAKUYA YONEZAWAです。
今回は絵具で絵を描くなら、ぜひ一度は使ってみて欲しい画材をご紹介します。
それは、「キャンバス」。
ここに絵を描くって
なんだか画家っぽいですよね!
でも、専門的な画材はちょっとハードルが高い。。
そう感じる方もいるかもしれません。
今回の記事では、そのハードルをできるだけ低くできたらと思っています。
描きやすくて、飾りやすい。
そして、実はお手軽。
そんなキャンバスの魅力と特徴をお伝えします!
今回も、実際に絵を描きながら解説していきますので、描いているつもりで楽しんでいただけたら嬉しいです!
◆キャンバスの種類と選び方
まず、キャンバスについて簡単にご説明します。
キャンバスは、木枠に布が張られたもので、絵を描くための定番の素材です。
素材や下地によって、油絵具やアクリル絵具など、様々な絵具に適したものがあります。
キャンバスって油絵具で描くだけではなく水溶性のアクリル絵具でも描けるんです。
大きさは「号」で数えます。
0号が一番小さくて、数字が大きくなれば、サイズも大きくなります。
また、F P M Sと形にも種類があって、それぞれ画面比率が違います。
詳しくはこちらを参考にしてください✨
種類や大きさはたくさんありますが、最初に買うなら水性下地(油彩・アクリル画兼用という表示)のキャンバスがおすすめです。
大きさは0号〜3号(10〜30㎝程度)が描きやすいと思います。
🎨さしこみコラム キャンバス事始め🎨
上のキャンバスサイズ表の右端に「Sサイズ」という正方形のキャンバスサイズがありますが、日本で(もしかしたら世界初?)最初に正方形のキャンバスをつくったのは当社(当時は河内洋画材料店)だったんです。昭和6年発行の”KAWATI-GATA”という商品カタログの形も正方形。キャンバスの価格表の右端に「カワチ型」として正方形のキャンバスが表示されていました。
◆キャンバスのいいところ
絵を描くには「画用紙」や「板」などさまざまな素材がありますが、個人的に、絵具を扱うなら「キャンバス」が一番描きやすいと思っています。
キャンバスには
①絵具と相性がいい
②飾りやすい
③画家っぽくて、テンションが上がる
こんな素敵ポイントがあります
描きやすくて、飾りやすいのは、キャンバスの大きな魅力。
そして、画家っぽくて、テンションが上がる!は、冗談みたいですが、とても大切だと思っています。
真っ白なキャンバスに、絵を描く瞬間は、いつもワクワクします!
気持ちの高まりは、そのまま絵に伝わりますよ✨
◆どこで手に入る?
キャンバスは、意外と簡単に手に入ります。
絵を描く専用の画材だから、画材屋さんにしかないと思われがちですが、少し大きな文具店にも売っているし、今は100円ショップでも買うことができます。ネットショップも便利です。
でも最初はやっぱり画材屋さんに行って、直接買うのがおすすめです!
店員さんに描きたい絵のイメージや大きさ、使う画材などを伝えて、一緒に選ぶと、とても勉強になりますよ✨
◆絵を描く準備を楽しもう!
キャンバスを買うなら、画材も一緒に揃えましょう✨
今回の記事で使用する画材たちは、こんな感じです🎨
かなりシンプルなラインナップですね。
第3回にして、いよいよ、筆の登場です!
筆にはとっても沢山の種類があります。
中でも最初に買うなら、このあたりの形が使いやすくておすすめです!
絵具は、リキテックスのアクリリックガッシュプラスというものを使用します。
サラサラとして伸びが良く、下の色を覆い隠す力が強いのが特徴の、水溶性で扱いやすいアクリル絵具です。
使う絵具は、描く作品を想像しながら、必要な色など揃えてみましょう!
「あれも使えそう!」「この色素敵!」とワクワクが広がるのでおすすめです✨
◆何を描こう?
画材を準備したら、いよいよ制作スタートです!
今回は寝室に飾る絵を描きたいと思います✨
『夜の湖畔を眺めながら寝る前の時間を過ごしたい🌙』
そんなテーマで描いていきます🎨
絵を描こうと思った時、描くテーマに迷ったら絵を飾る場所をイメージして考えてみるのがおすすめです。
キッチンなら食欲をそそるような暖色系
リビングならリラックスできる緑色など
場所に合わせてテーマを決めると、描きやすいと思います✨
「自分の好きなものは?」
「思い出の場所は?」
など、自分に問いかけて、イメージをより具体的にしていくと、描くのが楽しくなる&お部屋にぴったりの作品になるはずです🎨
◆描いてみよう!
下描き
それでは、早速描いていきましょう。
まずは鉛筆で下描きをします。
ガタガタして、ちょっと描きにくいけど、丁寧に行います。
下描きを細かく描けていると、絵具の作業で迷いにくくなります!

失敗しても大丈夫!
消しゴムで優しく消してあげましょう。
力を入れすぎると、キャンバスのテンションがゆるくなってしまうこともあるので、消しゴムを優しく細かく動かすのがポイントです。
キャンバスに描いた鉛筆は完全には消えないけど、絵具を塗れば大丈夫!
ということで、できました✨
絵具で描く
下描きができたらいよいよ絵具で描きます。
まずは夜空から。
第一筆目、、えいっ!
筆がキャンバスに当たる感覚、「サッ」という音がいいんですよね、、!
夜空の青を広げていきます。
塗りムラが気になるときは、同じ色を何度か塗り重ねると目立たなくなります。
夜空はグラデーションにしたかったので、スポンジでポンポンしてみました。
絵画では、筆以外にも色々なものが画材になります。
「使えるかも!」と思った道具は積極的に試してみましょう。
自分だけの、オリジナル技法が生まれるかもしれません✨
次に山⛰️
遠近感を出したかったので、遠くの山は暗く青っぽく、近くの山は緑色が強くなるように描きました。
細かい塗り分けは、細い筆を使うとやりやすいですよ✨
失敗しても、上から重ねれば大丈夫!
それができるのが、アクリル絵具の素敵なところ。
📚コラム 筆のメンテナンス🖌📚
作品も後半に突入するタイミングで、筆のメンテナンスについてご説明します。
絵筆は、使い終わったら毎日洗いましょう。
特に、根元の絵具をしっかり落としてあげると、筆が長持ちします✨
洗った筆は、なるべく寝かすか、吊るして乾かしてあげると、次回使いやすいです。
筆の状態がいいと、思い通りの線が引けるので、作品の質も高まりますよ!
さて、そろそろ終盤です!
カーテンは、フィルバートを使用して塗っていきます。
細かい部分は、細い筆で陰影をつけて仕上げていきました。
ついに星です⭐️
リースなどに飾り付けする、オーナメントのイメージで立体感を表現していきます。
ここでも、面相筆の出番です。
小さな作品は、細い筆が活躍する場面がとても多いです。
オーナメントは、吊るさないと!
ということで、糸をマスキングで描きます。
はがすまで、どうなるかわからないから、マスキングはいつもドキドキします。
そして最後に仕上げの流れ星を描いたら、、
完成〜〜〜〜!!
静かな湖畔の森を眺める作品になりました。
◆飾ってみよう!
絵画制作は、描いて終わりではなく飾るところまでセットだと思っています。
せっかく描いた作品ですから、ぜひ飾ってあげましょう✨
額に入れなくても、画鋲に引っ掛ける感じで飾れるのも、キャンバスの素敵なところ。
こんな感じに飾ってみました😊
額に入れない場合は、側面も塗ってあげると、作品をどんな角度からも楽しめるのでおすすめです✨
うん、よく眠れそう✨
◆おわりに
いかがだったでしょうか。
キャンバスの魅力が少しでも伝わって
「描いてみたい!」と思っていただけたら、とても嬉しいです!
絵具や筆と相性抜群で、描くモチベーションも高めてくれる「キャンバス」。
ぜひ、みなさんも手に入れて、描いてみてください🎨
絵を描くことが、楽しくて素敵な体験になりますように!
今回も、お読みいただき、ありがとうございました。
画家
TAKUYA YONEZAWA
◆番外編 キャンバスの貼り方
キャンバスは、自分で貼ることも可能です。
専門的な道具と、結構な練習が必要だけど、慣れると自分好みの素材やサイズでキャンバスを作ることができます。もしよければXのポストを参考に、挑戦してみてください!
https://x.com/takuyanokaiga/status/1775789759702729201
◆プロフィール
TAKUYA YONEZAWA
北海道在住。毎年50作品以上の絵画作品を制作し、美術館や国内外のギャラリーなどで発表している。SNSでの発信に力を入れ、作品や制作過程、創作のヒントなどを発信。Xは@takuyanokaiga。
◆使っている主な画材
・アクリル絵具 アムステルダム レギュラータイプ ロイヤルターレンス
・アクリル絵具 アムステルダム パールシリーズ ロイヤルターレンス
・ペインティングナイフ リキテックス バニーコルアート
・ペンディングナイフ ロイヤルターレンス