『ぼちぼちやろまい』
今年は父の入退院で帰省が増えました。
高齢な親が安全に暮らせるように
急きょ実家の片付けも手伝っています。
築60年の古い家屋と生活の歴史、
両親の所有している物は多いのです。
そして捨てることに対して「勿体ない」
という気持ちがとても強くて
なかなか手放してくれないのです。
一つ一つのモノに残る思い出や
愛着を考えると手放すことは難しく、
心の整理が必要のようでした。
多くのものはほとんど使っていない
埃がかぶったモノばかり。
その気持ちは愛着なのか執着なのか、
頑固に「まだ必要だから」の一点張り。
多分きっと、もう使わないのに…。
すっかり枯れてしまった植物の鉢、
母は「まだ育ててるから」と力説する。
傍目からすると、それらを片付ければ
家中がスッキリきれいになって
暮らしやすいであろうと思うのですが
なかなか上手く伝わらない。
あまりうるさく言うとケンカの元。
座面が破れて壊れかかった古椅子も
私はまた同じ場所に戻しました。
どうかこの椅子が怪我や事故の
原因になりませんように…。
一歩引きながら心配するのも子の務め。
口にだしては言わないけれど
どうか長生きしてね…と心底願う。
実家の片付けは焦らずせかさず
ぼちぼちやろまい。
(RumikoWorksは日々の暮らしを描いています)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
イラスト・文 Rumiko Works
愛知県在住。クリエイター。
毎月1つのイラストと私なりの目線で綴ったちょっとした文章をお届けします。
instagram :@rumikoworks